九州新幹線(暫定)開業で故郷も近くに
川内まごころ文学館開館  − 文化・学術創造の場に −

中郷町の歴史資料館に隣接し



[せんだいまごころ文学館全景]
川内市中郷2丁目の歴史資料館隣接地に
開館した「せんだいまごころ文学館」
[せんだいまごころ文学館全景2]





[せんだいまごころ文学館エントランス]

展示室1 「有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界」
[有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界1] [有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界2]
[有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界3]
[有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界4]
[有島三兄弟とくに里見クの文芸の世界5] 多目的映像ホール
(100席のミニシアター)


展示室2 「改造社に残された200余名の直筆原稿の世界」
[改造社に残された200余名の直筆原稿の世界1]
[改造社に残された200余名の直筆原稿の世界2]
[改造社に残された200余名の直筆原稿の世界3]
[改造社に残された200余名の直筆原稿の世界4]
生資料原稿を多量に収集・保存・展示
   


◆ 改造社の育んだベストセラー作家たち ◆
林芙美子(「放浪記あとがき」原稿),賀川豊彦(「懺悔僧としての徳富蘆花」原稿),石坂洋次郎(「フィリピン共和国通信」原稿),火野葦平(「敵将軍」原稿) ※( )は収蔵・展示資料

◆ 総合雑誌「改造」で活躍した作家たち ◆
芥川龍之介(「或る旧友へ送る手記」原稿),横光利一(「純粋小説について」原稿),菊池寛(「戯曲“妻”一幕」原稿),谷崎潤一郎(「芸術一家言」原稿),武者小路実篤(「或る男」原稿),志賀直哉(「蝕まれた友情」原稿),三好達治(「晩夏」原稿),高村光太郎(「子を産む書物」原稿),高濱虚子(「平凡化された漱石」原稿),小林多喜二,室生犀星,窪田空穂,大佛次郎,島崎藤村,広津和郎,直木三十五,瀧井孝作,加東碧梧桐,永井荷風,佐藤春夫,幸田露伴,葛西善蔵,萩原朔太郎,斉藤茂吉 ※( )は収蔵・展示資料

◆ 實彦へ・作家からの書簡 ◆
佐藤春夫書簡,芥川龍之介書簡,堺利彦書簡,永井荷風書簡,谷崎潤一郎書簡,北原白秋書簡,井伏鱒二書簡,川端康成書簡

◆ 實彦が日本に紹介した世界的文化人 ◆
アインシュタイン,ゴーリキ,トロッキー,クローデル・ポール,ロマン・ローラン,バーナード・ショウ,タゴール,バートランド・ラッセル,郭沫若,汪兆銘,胡適,魯迅

常設展示1 郷土ゆかりの芸術家たちの世界
[常設展示1 郷土ゆかりの芸術家たちの世界1] [常設展示1 郷土ゆかりの芸術家たちの世界1]
 山口長男,山本直純,武満徹,今井白楊,岩谷莫哀,与謝野鉄幹・晶子,森園天涙,万造寺斉
  

企画展示 まごころ文学の会展
[企画展示 まごころ文学の会展]
 作家里見クと雑誌「改造」を主宰した山本実彦を中心に川内市ゆかりの文学者,芸術家らを顕彰する「川内まごころ文学館」の開館式典が1月30日,同市中郷2丁目の同館であり,国内外から駆けつけた遺族らをはじめ約200人が開館を祝った。 一般開館は31日午前9時から。
 同館は鉄筋コンクリート2階建てで延べ床面積1537平方メートル。 実業家の有島武(同市平佐出身)とその息子武郎,生馬,里見クの3兄弟に加え,山本実彦(同市大小路町出身)の雑誌「改造」にかかわった約220人の作家・芸術家らの直筆原稿や書画など約7000点を収蔵・展示。 企画展示室や定期的に文学作品を上映する約百席の映像ホールも併設している。
 式典では森卓朗川内市長が「市民運動から始まった建設構想が14年かけて実を結んだ。文化・学術創造の場として大きな役割を果たせるよう努めたい」と式辞。 数多くの貴重な資料を寄贈した有島家,山本家の遺族がそれぞれ「資料を有効に活用し,すばらしい文学館に育ててください」とあいさつした。
 有島武の長女山本愛子の曽孫にあたるチェリストの山本祐ノ介さんと,妻でピアニストの小山京子さんによる記念演奏もあり,祐ノ介さんの父で音楽家の山本直純さんが作曲した「リンデンバーグの歌」を演奏した。
 有島武郎を顕彰する北海道ニセコ町の有島記念館,長野県信州新町の有島生馬記念館との姉妹館盟約式もあり,逢坂誠二ニセコ町長と中村靖信州新町長,森川内市長が盟約書に調印した。 「川内まごころ文学館」が,あす開館する。川内市ゆかりの有島芸術3兄弟の末弟で,最後の文士ともいわれた里見クが唱えた「まごころ哲学」にちなんで命名された。
南風録
 里見の言葉を借りれば,まごころは「一点の嘘(うそ)いつわりのない,正直一途(いちず)な気性」。子どもは素直に聞いても,大人にはいささか窮屈な生き方だろう。 それほど,里見自身は正直一途な人だった。
 ともに雑誌「白樺」の創刊にかかわった武者小路実篤がからかっている。 「正直はいいんだけど,上に2字ちょっとくっつくのが困るね」(かまくら春秋社「唇さむし」)。「バカと呼ぶ方が悪い」。これは里見の反論。
 文学館の建設構想は14年前,里見と交流があった川内市民の間で持ち上がった。里見の小説を下敷きにした映画を上映したり,講演会を開くなど息の長い運動に取り組んできた。 中心にいた米盛弘さんは「種をまき水をかけ,やっと花が咲いた」と振り返る。
 米盛さんによれば,里見は教育,特に小学校までの教育の大切さも説いてやまなかった。父の故郷川内を訪ねたときに講演した縁で,平佐西小学校へ「慈眼観」と書かれた書が送られてきた。 94歳で大往生した後に届いた遺言でもある。
 「茲」は草の芽に細い糸がよりそった形を示し,小さいものが成長して増える意味。 それを見守る心が「慈」だ。まごころ文学館を拠点に,若い才能が真っすぐに育ち開花するよう見守りたい。

2004年1月31日/南日本新聞

  

里見ク(さとみ とん)=明治21年(1888)〜昭和58年(1983)
 本名山内英夫。有島芸術三兄弟(有島武郎・生馬・里見ク)の一人。大正昭和の作家。 「白樺」創刊に参加。泉鏡花を尊敬し,巧みな描写で名を成す。 後,久米正雄らと「人間」を創刊。代表作に「多情佛心」「極楽とんぼ」等。 嘘いつわりのないなま身の素人間の立場に立ち,一心に行えば何事も許される「まごころ哲学」を唱えた。読売文学賞,文化勲章を受章。 平佐出身(北郷家家臣)の父有島武を晩年はますます敬慕し,川内とも交流があった。
[平佐町(兼喜神社奥)に建つ父・有島武の孝徳碑] 平佐町(兼喜神社奥)に建つ父・有島武の孝徳碑


山本實彦(やまもと さねひこ)=明治18年(1885)〜昭和27年(1952)
 川内大小路に生まれ,苦学する。 大正昭和の思想界・文学界に旋風を巻き起こした大ジャーナリスト。 総合雑誌『改造』を主宰し円本を出版,作家育成,読者層拡大に貢献した。 アインシュタイン等世界的文化人を私費で招待。 その間,与謝野夫妻を川内に招きつつ,政治家として川内川改修にも取り組む。 終生,時代を見据え,人の為に力を尽くし続けた百難克服の人。
[東大小路町(天大橋近く)に建つ山本實彦生誕地の碑] 東大小路町(天大橋近く)に建つ山本實彦生誕地の碑



■全国初!白樺派と改造社の文学、芸術資料を収集、一挙公開!!
 平成16年1月31日(土),雑誌「白樺」や総合雑誌「改造」に寄稿した大正・昭和の200名以上の作家,芸術家たちの文学・芸術資料を収集・展示・研究する全国初の文芸融合ミュージアム「川内まごころ文学館」が鹿児島県の川内市に誕生。!!!
 大正時代から公開されなかった作家直筆原稿も数百点にわたって収集、そして当時の書画、スケッチ,マスメディア関連資料もふんだんに展示し,なおかつ映画館も併設して,多くの方々に楽しんでいただけるように工夫,展開していきます。
 ここでしか味わえない時間と空間を存分にお楽しみください。
 
■常設展示の概要
○ 展示室1(2階)
「有島芸術・とくに里見クの文芸の世界」と「郷土ゆかりの芸術家たちの世界」
 川内ゆかりの有島兄弟、特に里見クの文芸資料を中心に白樺派の書や絵画などを幅広く展示します。また、併せて作曲家武満徹や画家山口長男、与謝野晶子など郷土に関わりの深い芸術家たちの資料を展示する空間も設けています。
○ 展示室2(1階)
「改造社に残された二百余名の直筆原稿の世界」
 日本文化に旋風を起こした川内出身の大ジャーナリスト山本實彦の足跡と實彦主宰の総合雑誌「改造」に寄せられた芥川龍之介、谷崎潤一郎をはじめとする近代文学者たちの直筆原稿・資料を展示しています。
 
■ 川内まごころ文学館で展示顕彰する主な作家・芸術家たち
 里見ク・有島武郎・有島生馬・志賀直哉・武者小路実篤・与謝野晶子・芥川龍之介・谷崎潤一郎・佐藤春夫・菊池寛・小林多喜二・林芙美子・横光利一・高村光太郎・高浜虚子・小林秀雄・山本直純・武満徹・椋鳩十・今井白楊・岩屋莫哀  他
 
■ 入館のご案内
開館時間 : 9:00〜17:00
休 館 日 : 毎週月曜日
駐 車 場 : 約40台(隣接する川内市歴史資料館と共通)
歴史資料館では,開館20周年記念特別展を3/28まで開催中

入 館 料
一般300円(240円)小中高校生150円(120円)
※( )は20人以上の団体
※川内市歴史資料館との共通券もあります。(一般400円,小・中・高校生200円)


川内まごころ文学館

 〒895−0072 鹿児島県川内市中郷二丁目2番6号

Tel  0996−25−5580
Fax 0996−20−0818
e-mail magokoro@sendai-net.jp

[久見崎の菜の花] [パンジー]
[平成16年3月つばめ]
 
[新しい川内駅] [川内市イメージキャラクターセンちゃん]
来館には,川内駅から30分間隔で運行の
「くるくるバス」(均一運賃バス/100円)利用が便利です!!